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【EXO-CBX MAGICAL CIRCUS TOUR記念】めざせ!THE GREATEST SHOWMAN!=28

2018.07.11 09:00|めざせ! THE GREATEST SHOWMAN!

自分の存在などまるで無視で勝手に言い争い、勝手に項垂れたディオとリッチマンスホを残し、ベッキョンは自分たちのテントへ戻ろうと歩き出していた。
しかしどうしてもチェンが気になり、止めておけと思いながらもレイが滞在するテントへと足を向けてしまった。

―――行ってどうするんだよ!最中だったらどうする?!っていうか、チェンの喘ぎ声とか…聞きたくない…

どうやらベッキョンの中でチェンは食われた方に決定のようだ。それはともかく、行くべきか行かざるべきかの葛藤が心の中で渦巻くがベッキョンの足は止まらなかった。
けれど近道の為、広場を横切ろうとした時だった。

「ベッキョン?」

不意に名前を呼ばれ、漸くベッキョンの足は、そこで止まった。この声の主はもう振り返らなくてもわかる。チャニョルだ。
そして今、呼び止められたことになんだか安心し、ほっと息を吐き出したことは内緒だ。

「どこ行くの?」

けれどベッキョンは振り向けなかった。そんな振り向かないベッキョンにチャニョルが近づいて来ていることがわかる。それでもベッキョンは振り向くことも、チャニョルの名前を呼んでやることもできなかった。
というのも、レイがここにやって来た夜のこと、チャニョルの態度に腹を立て「お前なんて嫌いだ。近寄るな。」と言ってしまった。それにはチャニョルの方が悪かったと言ってくれたのだが、それを許すとも、自分も悪かったとも、未だにベッキョンは言えてないのだ。
ここで呼び止められたことに安心はしたが、それとは別のところでベッキョンは気まずい思いだった。

しかしチャニョルはそんなベッキョンの思いなどお構いなしに近づいてくる。そしてベッキョンの正面へ回り込み、気まずさから俯くベッキョンの顔をわざわざ腰を屈め覗き込んできた。

「ベッキョン?」

なんでこいつはこんなに自分に、そしてこんな自分に構うのだろうと、ベッキョンは思う。これまでひとつも良い態度で接してやったことなんてない。それどころか悪態ばかりだったような気がする。それなのにチャニョルは嫌な顔ひとつしたことはない。文句も嫌味も、一言だって言ったことなどない。
そして自分もまた、どうしてこいつが気になるのだろうと思うし、必要以上に悪態をついてしまうのだろうとも思う。

「…道間違えただけだ。自分のテントに戻る。」

そう思いながら覗きこんでくるチャニョルの真っ直ぐな視線から逃れ、ベッキョンはまたしてもぶっきらぼうにそう言うと、チャニョルに背を向けた。

「ちょ、ちょ、ちょっとベッキョン?」

だが本当はベッキョンはわかっている。あの時は、ただ単純に笑われたことに腹を立てた。しかし今、素直にチャニョルと向き合えないのは、もやもやした気持ちがあるからだ。
そのもやもやはの原因も、本当はわかっている。でもそれを聞いてどうするとも思う。しかしやはりベッキョンの口は噤まれることはない。

「…お前が作った歌…恋の歌だよな?」

そしてそんな言葉が飛び出るが、そんなのは当たり前だ。そもそものコンセプトが「小さな可愛い恋人たち」なのだから、恋の歌を歌わないでどうするんだ、とベッキョンは自分で自分に心でツッコんでみる。

「どうしたの?急に…って、うん、まぁ、いっか…ベッキョンたちへの歌はそうだね、うん、恋の歌。そういうコンセプトだし…」

そしてチャニョルの答えも当たり前のことが返って来る。だからここで止めておけ、とまたベッキョンは自分に言い聞かす。
けれどさっきレイのテントへ向かおうとしていた自分の足を止められなかったように、またしてもベッキョンは自分の口が開くのを止められなかった。

「…誰か…思い浮かべて…書いてんの?」

なにか凄く良いことをしてくれたとか、なにかをプレゼントをしてくれたとか、そんなことはない。
出会いだってドラマチックだったわけじゃない。そもそもが男同士だし。ベッキョンは元々グラマラスな女の子が大好きだった。空中ブランコ乗りのミランちゃんのボンキュボンなスタイルをチェンと一緒に騒いでいた。しかしそんなこともここ最近はなくなったなと思う。
さらにいえば、ウィンクを寄越してくるチャニョルに引いていたではないか、とも思う。

しかし、理屈じゃないのだ。
チャニョルが作った歌の歌詞を読んだ時、チャニョルがそれを書く為に思い描いたその恋の相手に、猛烈に嫉妬する自分がいた。
正直、そんな自分に驚いた。驚くしかなかった。認めたくなかった。まさか、自分が、こいつを、いつどこで、なんで、と。
そして否定するしかなかった。そんなことはない。あるはずない、と。

「うん、思い浮かべている人いるよ。俺ね、ずっと好きな人がいるの。ずっと、ずっと大好きで、たぶんこの先、死ぬまで好きな人。その人にね、ずっと会えなかったんだけど、つい最近また会えて、その人のこと思って…」

否定する自分がいるはずなのに、もうそれ以上は聞いていたくなかった。だからベッキョンは走り出していた。全速力で。
しかし頬に痛いぐらいの風を感じながら、ベッキョンはわかっていた。チャニョルがウィンクを寄越していたのは自分だけだった。誰彼構わずだったわけじゃやない。誰にも優しいチャニョルだけれど、自分には殊更優しいと感じていた。

それなのに。やはりまさか。自分ではない誰かを好きだったなんて。その人を思い浮かべながら歌を作っていたなんて。

そう考えながらもベッキョンは認めざるを得なかった。自分はあいつが好きなんだと。



~続く~


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