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【EXO-CBX MAGICAL CIRCUS TOUR記念】めざせ!THE GREATEST SHOWMAN!=36

2018.07.19 09:00|めざせ! THE GREATEST SHOWMAN!

やった!ついにやった!ついにやってやったぞ!

ディオは意気揚々と心でそう叫ぶと、心の中でガッツポーズをしてみせた。
そしてその勢いのままに掴んだ手の先にいるはずの人物に振り返った。

しかし。

「ええっ!?」

大きな目が飛び出るかと思うほど、ディオは驚いた。
それは連れて来たはずの人物ではない人間が、そこにいたからだ。
しかも2人も。

「お前ら誰だよ!」

と聞いてみたが、聞かなくてもわかっていた。
その様相はどこからどう見ても『王子様』なのだから。

「っていうか、き、君も、誰?」

酷く目の下にクマを作った、大凡王子様というには容貌が険しすぎるが、その容貌とはギャップのある怯えた言葉遣いの王子に、ディオは大きく、そして深い溜息を吐き出した。
そして掴んでいたもう1人の王子の腕を思い切り離し、聞かれたことに答えることもせず、自分の頭を抱え、その場にしゃがみこんだ。

「ああああ~~~~!間違えた!」

このサーカス団にやって来た時から、チェンのことを狙っていた。
しかし焦れば良い結果は得られないと、機が熟すのを待っていた。
そして漸く訪れたと思ったその機に腐れ縁のスホがやって来て、チェンと2人きりになることさえ叶わなかった。
そうしているうちに後からやって来たレイにチェンを浚われてしまったのだ。

なんたる屈辱!

それでも諦めることもできず、ここから去ることもできず、前と変わらず陰からチェンを見ていることしかできなかった。
だが、どうせもうこのサーカス団とはおさらばなのだ。だったらチェンを浚い返してしまおうと思った。

そして決行したのだ!

サーカステントの照明を落とし、その間にチェンを連れ去って来てしまおうと。
そうしてそのまま2人でこのサーカス団を去ってしまおうと。

それなのに!

「あああああああああ!」

ディオは抱えた頭にある髪を掻き毟った。

―――どうするんだ!どうするんだ!どうするんだ!!王子なんて攫ってどうするんだよ!

「僕たち誘拐されたんでしょうか?」

抑揚のない声が頭を抱えていたディオに恐ろしいワードが叩きつけられ、驚きその声がした方をディオは恐る恐る振り返った。しゃがみこんだまま。

―――誘拐なんて冗談じゃない!←いや、立派に誘拐です!

そんな言葉も声にはならず、ディオはただ首を横に振った。
しかし無表情の王子は無表情そのままに、さらに恐ろしい言葉を続けていく。

「あなたにそのつもりはなくても、これは立派な誘拐です。王子誘拐。ギロチンです。」

無表情のまま立てた親指を横に倒し、そのまま首を掻き切るような仕草をする1人の王子。
そのジェスチャーにディオは再び頭を抱え込んだ。

―――ひえ~やめてくれ!やめてくれ!やめてくれ~!

ディオは恐ろしさのあまり首を横に振ることしかできずにいた。そんなディオの近くに無表情王子は膝を折り、悪魔の囁きのごとく囁いた。

「なので逃げましょう。」

確かにそれは尤もだ。
だがいや待てよ。ここでこれは誘拐ではないと一言言ってくれれば、ディオに罪はない。(いや、誘拐しようとしてたでしょう、チェンを!)
逃げる必要もない。いや逃げたら逆に誘拐を認めたことになってしまう。(いやだから…誘拐したd…)

「いやいや待て。なんで逃げるんだ?俺はなにも悪いことなどしていない。逃げればお尋ね者になって、こそこそ暮らさないといけなくなる。そんなのは嫌だ。」

だからディオは少しだけ冷静な頭でそう言った。
すると目の前の無表情王子は、その表情を変えることなく大きな溜息を吐き出た。
そしてまるで懇願するように言った。

「お願いします。僕と一緒に逃げてください。あとから父に僕の意思で逃げたと伝えます。あなたは僕の巻き添えになったことにします。そうすればあなたはお尋ね者にならない。だから今、僕と一緒に逃げてください。」

いつの間にか無表情王子はいなかった。切実に自分のいた世界から逃げ出したいと願う青年がいるだけだった。
そんな青年を真っ直ぐに見て、ディオは聞いた。

「名前は?」
「カイです。」

そう答えた長めの前髪の奥に隠された少しあどけなさを残す王子に、ディオはなんだか笑いが込み上げた。

「城下町をその恰好で歩いてたら、嫌でもすぐに捕まる。着替えてから逃げるぞ。」

どうせもうここにはいられないと思っていた。それにもうチェンのことも望みはない。若干やぶれかぶれという感もなくはない。
けれどどこか楽しみでもある。自分の知らない世界に片足を踏み入れてしまったような、そんな感じだ。

ただ心配なことは、急にここから姿を消してしまったら、パオとガオの世話を誰がしてくれるだろうかということだった。
と、その時、もう1人険しい顔して怯える王子の姿がディオの目に飛び込んだ。

「君、名前は?」

相手が王子であることも、もうディオには関係ないようだった。

「…タ、タオ…」

その風貌とはギャップがあり過ぎるほど怯えた様子で答えたタオだったが、ディオはこれは運命だと思った。

「タオ!なんて素敵な名前なんだ!パオとガオとタオ!君にあの子たちの世話をさせてあげるよ!」
「ええ?」

怯えた表情を驚きのそれに変えたタオ王子だったが、ディオはもう一刻も早くここから去りたかった。
だからやいのやいの言うタオ王子のことは、もう気にすることはなかった。

「早く着替えて、もう行くぞ!」

そしてそう言って無表情王子の腕を引っ張った。そんな2人の背中にタオの恨み言が届く。それに無表情王子は腕を引っ張られながら振り向き声を張った。

「タオもお城出たいって言ってただろう?ここでパオとガオの世話しろよ~。じゃあな、タオ!」
「カイのばか~!僕が動物苦手なの知ってるくせに~!」

そんなタオの泣き言は、もう2人の耳には届かなかった。

そしてその後、2人の姿を見た者はいない。
町の外れの小さなショー小屋にいるとか、隣国との国境を越えたとか、いろいろと聞いたが、どれも噂にしかすぎなかった。

元ピエロと元王子の2人。
どこでどうしているのやら…。



~続く~


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いきなりのカイドでした。(笑)



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