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愛をする人・愛をされる人=19(セフン・ベッキョン)

2018.10.03 09:00|愛をする人・愛をされる人

強く諌められるような声で名前を呼ばれたセフンは顔を上げ、そこにあるベッキョンの顔を見た。その顔は今しがた自分を呼んだ声とは違い、とても明るい笑顔だった。そしてベッキョンはその笑顔のまま掴まれている手首をセフンの手から引き抜いた。
「これはさ、プレイだよ。そういうプレイ!分かんだろ?さっきは咄嗟で恥ずかしかったってのもあって言葉濁しちゃったけどさ、そういうこと。だからセフンが心配することないって。本当にわりぃな、変なもん見せちゃって。」
最上の笑顔で鬱血痕を擦りながらそんなことを言うベッキョンを目の前にして、セフンは胸が苦しくなった。この笑顔の下で泣いていると思うと、やりきれないとも思った。
「そんな嘘つかないでください。チャニョリヒョンにやられたならやられ…「だから!やめろって!」」
だから言わずにはいられなかった。しかしさっきよりもさらに強い声でベッキョンに言葉を遮られた。それに少し驚いたセフンは真っ直ぐにベッキョンを見た。そこにはセフンを睨むベッキョンがいた。
「本当に悪かった。ここに来るべきじゃなかった。少し考えれば分かることだったのに…。勝手にここに来て、お前を巻き込んじゃったみたいになっちゃったけど、これは俺たちの問題だ。お前には関係ない。それに!お前にチャニョリヒョンを悪く言う権利はない。」
そんなことは分かっている。しかし言わずにはいられなかった。何故ならば、きっとどこかで惹かれていたからだ。このビョン・ベッキョンという恋人の親友に。そのことに今、突如気づいてしまった。陳腐な例えだが、まるで雷に打たれたように、そのことが自分の中に突き刺さってきたのだ。少しの痛みを伴って。

これまでセフンからのそんな感情を感じたことはなかった。それこそやきもちなどというレベルではない嫉妬で大喧嘩をするほど、ミンソクに夢中なのだと思っていた。だからこそ、ここに来てしまったのだ。それなのに。
「俺はミンソクと親友でいたい。正直、二度とお前と会えなくてもいいけど、ミンソクと会えなくなるのは嫌だ。」
いつの間にかセフンはベッドに座るベッキョンの足元で正座をしていた。そんなセフンは顔を俯かせ旋毛を見せていた。そこから視線を外し、ふっと上を見上げれば、さっきから秒針を刻む音を立てていた立派な壁掛け時計が目に入る。ちょうど2限目が終わる頃だ、とベッキョンは思った。
「セフン、ミンソクは俺がここにいること、知ってるよな?」
ここに来てしまったことは間違いだった。ミンソクもきっといい気持ちはしないだろう。しかもこんなことになっているなど、ミンソクが知れば寝耳に水だろうも思う。しかし嘘もつきたくない。すべてを詳らかにする必要はないが、隠す事もしたくない。そう思っていたのだが、俯いたままのセフンは小さな声で言った。
「…なんにも言ってないです。」
そのセフンの言葉にベッキョンは肩の力が抜け、はーっと大きく溜息を出してしまった。今さらなんでとも問い詰めることは出来ないし、それこそそんなことを聞いても自分が困るだけだ。
そんなことを思いながら考えてみれば、なんだか昨夜からすべてのことが空回りしているような気がした。いや、それよりももっと何か大きな力が突如としてベッキョンの人生に介入してきたような、そんな気分だった。
「お前…ミンソクと別れたいの?」
しかしそんな力になど負けて堪るかとベッキョンはまだ旋毛を見せるセフンに聞いた。するとセフンは首を横に振った。それには正直、ベッキョンはほっとした。
そして辺りを見回し、自分のスマートフォンを見つけると手に取った。だが電源が切れていた。こんな小さなことにも盛大な溜息が出た。
「これ充電出来るケーブルある?」
いろいろなことを考えれば、今すぐにセフンの家を出た方がいいとは思う。けれど、このことの顛末はセフンにも見届けさせなければならない。自分には後ろめたいことはないけれど、セフンのそれを肩代わりするつもりはない。
そう思いながら、ここから先のことを思うと気が重い。だからセフンが充電ケーブルを取りに部屋を出て行くと、ベッキョンはもう一度大きな溜息を吐き出した。



~続く~


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Re: うーん

鍵コメn様、こんばんは~♪

コメントありがとうございます!

ベクちゃん、かっこよく描けてますか?嬉しいです^m^
このお話はn様がおっしゃるようにベッキョンとミンソクの友情が根底にあるんです。
そして!そうなんですよ!お互いをそういう目で見ないし、思いもよらない!そこ!わかっていただけて本当に嬉しいです!

このシリーズに限らずですが、たぶん私の有り余るベクちゃんへの愛が(笑)、魅力的なベッキョンを作り出しているのではないかと思います><
しかしn様、私の描こうとしているベッキョンの姿を見事に捉えて下さっていて、本当に本当に嬉しいです!
マイノリティーであるがゆえに自分を肯定できず、でも凄くまっとうにまっすぐに生きてるベッキョン。
だから自然に周りには人がいて、その人たちから愛されて…ついセフンもね(^_^.)

そんなセフンですがミンソクと別れたいかは思ってないようで、私も安心しました←
でも本当に人間って不安定ですよね。
私も昨日までは「よし、仕事頑張るぞ。」って思ってたけど、今日には「やっぱり辞めたいな。」と思ったり(笑)
それに人間の好きという気持ちは増えるんですよね。恋心の好きも勿論。だから誰にも責められない。
もうあとはセフン自身が折り合いをつけるしかないので、きっと大丈夫でしょう!(根拠のない自信)

これからもベッキョンとミンソクの友情、そしてそれぞれの恋愛模様を(悶えながら)見守ってくださいね!
よろしくお願いします<m(__)m>


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