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愛をする人・愛をされる人=23(チャニョル・D・O)

2018.10.09 09:00|愛をする人・愛をされる人

更衣室を出て休憩室の椅子に座り切羽詰ったような顔をしたチャニョルを見れば、言いたいことは山ほどあった。
しかし自分は何を言える立場なのかと考えれば、言葉は出てこなかった。
けれど今でも確かにベッキョンは胸の奥深くで小さく疼く存在でもある。それはきっとこの先、一生とまでは言い切れないが、かなりの時間そういった存在で在り続けるだろうことは、その期間が自分という人間を形成する大事な十代のそのまた後半のすべてという貴重な時間だったのだから仕方がないとギョンスは思っていた。だがそれもギョンスの一方的な思いではあるのだが。
「ベッキョン、泣いてましたか?」
再びロッカーを開け私服をしまい、チャニョルを見ずにそう聞いた。それでも背中の向こうでチャニョルがはっと息を吸い込んだのがわかった。


喧嘩くらいなら、まだいい方だ、とチャニョルは思っていた。
ほんの半日前、夜明け前のできごとを思い出せば後悔しかない。何故あんなことをしてしまったのか。あんなことになってしまったのか。アルコールの悪い方の作用が大きく働いたというのは、ただの言い訳にしかならない。すべては自分が招いた結果なのだ。
そして今、ギョンスの問いかけがどこに向かっているのかはわからないが、確かに泣かせてしまった。いや泣かせた、なんてものじゃない。月明かりの差し込む廊下でのベッキョンの姿がフラッシュバックする。
「中学の時、ベッキョンが泣くところを見たことなんてなかった。男子でも体育祭や文化祭で感極まって泣く奴はいっぱいいたけど、あいつは絶対に泣かなかった。堪えているようなところは何度か見たことはあったけど、絶対に涙は溢してなかった。」
そんなベッキョンも想像がつくなと思う。不謹慎だが、まだ可愛い中学生のベッキョンが唇を噛みしめ涙を堪えている姿が思い浮かび、チャニョルは少し頬を緩ませてしまった。
「そんなベッキョンが簡単に涙を流したんです。ぽろぽろと。驚きました。」
しかしそんな言葉が続きチャニョルの緩んだ頬は、一気に引き攣った。そしてこちらを見ないギョンスの背中を見上げた。
「2年前の冬の夜です。すぐそこのファミレスの外をあなたが女性と歩いている姿を見ただけで、ベッキョンは泣いた。堪えることもせず、ぽろぽろと涙を溢した。」
その話しは知っている。それがきっかけになって付き合いだしたようなものだ。しかしそこでベッキョンが泣いたことは知らなかった。だから驚いた。
そしてそこにギョンスが振り返った。そのギョンスの顔を見て、チャニョルはもう一度驚いた。
「俺はフラれてるから何も言う権利なんてないけど、簡単に泣かない奴を泣かせるようなことはしないでほしい。」
ギョンスにここまで言われても、チャニョルはなにも言い返すことなどできはしなかった。



~続く~


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