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愛をする人・愛をされる人=27(チャニョル×ベッキョン)

2018.10.15 09:00|愛をする人・愛をされる人

こういうのを火事場の馬鹿力というだっけ、と思いながらベッキョンは歩いた。
朝はまだ少し手持ちの金があったからタクシーに乗れたが、今は初乗り料金さえない。だからこの極限状態でも歩くしかない。
何を意地になっているんだとも思う。スマートフォンの充電は確かに残り少ないが、チャニョルへ電話を掛けるくらいは出来ると思う。だから「迎えに来て」と一言電話を掛けてしまえば、この苦しい状況から抜け出せると思うのだが、どうしてかベッキョンはそうしたくはなかった。
自分に悪かったことなんて何もなかったはず。なにがどうしてああなったのか、いくら考えても未だにわからない。だからこそ意地になっているのかもしれない。それに電話を掛けて、もしチャニョルに冷たい声で対応されたらと思うと、それもまたベッキョンを躊躇させた。
「ああ~もう!ちくしょう!」
いろいろな思いがベッキョンの中で交錯する。歩きたくないけど歩くしかない。会いたいけれど会いたくない。泣きたいのか泣きたくないのか。空腹なのか、そうでないのか。
ただもう今、この足を止めたら本当にもう一歩も前に進めなくなりそうで、ベッキョンはただひたすらに歩くしかなかった。


家へと帰るバスにチャニョルは乗り込んだ。そして再び一番後ろの席へ座り、今度は流れる街並みをしっかりと見つめていた。
ミンソクとの電話の最後に「俺のせいでごめん」とミンソクは言った。しかしミンソクのせいなどではない。それこそミンソクは1ミリも悪くはない。悪いのは100%チャニョルだ。だからチャニョルは「ミンソクのせいじゃないよ。悪いのは全部俺だから。」と言って電話を切った。その前のやり取りでミンソクは「たぶんだけど、ベッキョン、チャニョリヒョンの部屋に戻ると思う。」とも言った。確定的な言葉があった訳じゃないけれど、あいつならそうしそうだと。
正直、今のベッキョンが何を思い考えているかチャニョルにはわからなかった。だからミンソクの言葉を信じるしかなかった。今すぐ会いたいけれど、これ以上、当てのない捜索をしても増々擦れ違うばかりだとも思えた。しかも最悪なことにミンソクとの通話のあとスマートフォンの充電が切れてしまったのだ。これはきっと家に戻れということなのだと、都合の良い言い訳かもしれないが、自分にそう言い聞かせた
じっと見つめる窓の外に流れる街並みには、冬のどんよりとした午後が広がっていた。そしてもうすぐそこに、冬の早い夕暮れが待ち構えていた。



続く~


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