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愛をする人・愛をされる人=28(チャニョル×ベッキョン)

2018.10.16 09:00|愛をする人・愛をされる人

漸く辿り着いたチャニョルのマンションの階段を上りながら、ベッキョンはもうなんだか何もかもどうでもいいような気がした。
しかしそうも思うが、やはりなんだか怒りのような感情もこみ上げて来る。
「ああ、マジムカつく!俺が一体なにしたっていうんだよ!」
最後の力を振り絞るようにして二段飛ばしに階段を上りながらそう叫び、目的階の4階に着くとそこで一旦足を止めた。そして息を整えるのと同時に気持ちを落ち着けるように、大きく息を吸い込み吐き出した。
ここは目的地ではあるが、事の次第のゴールではない。むしろこれからまた何かが始まるのだろう。それを思うとやはり気は重いが、だからといってもうここからどこへも行く気もしない。
「…よし!」
ベッキョンは自分を鼓舞するようにそう声を出すと、チャニョルの部屋の前に進んだ。そして少しばかり緊張を伴いながらインターフォンを押した。
「…マジか…」
しかしなんの反応もなくベッキョンの緊張の糸は切れ、そんな一言をごちるとその場にしゃがみこんだ。チャニョルからミンソクへ連絡があったことは聞いていたが、ここに来ればチャニョルは居るものだとばかり思っていた。まさか自分を探し回っているとはベッキョンは思っていなかった。あれほどのことをするくらいの怒りがあったのだから、探してなどいるはずないと思っていたのだ。
「…なんなんだよ、まったく…」
だから思わずそんなことを口にした時だった。階段を駆け上ってくる足音が微かにベッキョンの耳に届く。その足音に特徴がある訳ではないのだが、何故かベッキョンにはそれがチャニョルだという確信があった。


ミンソクが言ったことを期待し、マンションの階段を駆け上がった。
自分の部屋がある4階に着き、階段踊り場から続く外廊下を覗き込むようにして見ると、部屋の前に小さく蹲ったような人影があった。
「ベッキョナ!」
ミンソクの言った通りにあった人影に、兎に角、ああよかった、という気持ちで名前を呼んだ。しかしその人影は動こうとはせず、ただ蹲ったままだった。それでもそこに駆け寄り、同じように腰を落とし腕に隠れた顔を覗きこんだ。
「ベッキョナ…」
「鍵!」
顔が腕の中に隠れているのでくぐもった声だった。しかも呼んだ名前の最後に被るように、その言葉は発された。それでもはっきりとその言葉は聞き取れたが、思わずチャニョルは「え?」と聞き返してしまった。
「鍵!鍵ちょうだい!」
すると顔を隠していた腕が伸び、そんな言葉と共にチャニョルの目の前に掌が広げられた。その掌と少し睨むように見上げてくる顔を交互に見ながら、チャニョルは膝を外廊下のコンクリートの地面に着け、鍵が入っているジーズンのポケットに指先を突っ込んだ。
「…あの、ベッキョナ…」
そもそも少し無理な体勢であることやジーンズがわりかしタイトなことで、なかなか鍵が引っ張り出せず、チャニョルはその間にもう一度恋人の名前を呼んだ。
しかし今はベッキョンがなにも聞く気がないということを表情で示していた為、チャニョルもそれ以上はなにも言わなかった。そしてポケットから取り出した部屋の鍵は、引っ手繰られるようにしてベッキョンの手へ渡った。



~続く~


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