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愛をする人・愛をされる人=29(チャニョル×ベッキョン)

2018.10.17 09:00|愛をする人・愛をされる人

いろいろ考えてそうした訳ではなく、咄嗟のことだった。
奪うようにして手にした鍵で扉を開け、すぐ隣にいるチャニョルの手を引っ張った。そのチャニョルの少し驚く顔ともたつく足元がベッキョンの目にスローモーションのように映る。そのあとはなにをどうしてそうなったのかはよくわからなかったが、ガチャリと閉まった玄関扉にチャニョルの体を押し付けていた。そう前夜とは立場が逆だったが。
だが悲しいことに身長の差は逆にはならない。チャニョルの腕を玄関扉へ押し付けてはいるが、そのチャニョルからは驚き顔で見下されている。
「ベ、ベッキョナ?」
そして驚き顔のままのチャニョルに名前を呼ばれると、やはり怒りにも似た感情が沸き上がる。だから玄関扉に押し付けていた腕を掴み自分の体を軸にして反転させたチャニョルの足元を少し強めに払い、よろけた体を支えながら廊下に押し倒した。そのほんの一瞬の出来事にチャニョルはさらに驚いたように目を見開いていた。
そんなチャニョルの顔を見下げながらベッキョンは聞いた。
「怖い?」
立場を逆にしての前夜の再現のようだったが、ベッキョンにはこんなことを問うてはくれなかった。しかもこの問いの真意はチャニョルにはわからない。だからチャニョルは肯定も否定もできないようだった。
「俺は怖かったよ。」
チャニョルの体の上に跨ったベッキョンは、チャニョルを真っ直ぐに見下し言った。その脳裏には前夜のシーンがフラッシュバックする。
「何が怖かったかわかる?ヒョンが怖かった訳じゃないよ。なにをされるのかは見当がついてたし。」
それでも抵抗したのは、あんなこと到底受け入れられなかったからだ。
「怖かったのは、理由がわからなかったからだよ。なんでヒョンが急にあんなふうになったのか。その理由にまったく心当りがなかったから。だから怖かったんだよ。」
その理由に少しでも心当たりがあれば、まだ違ったかもしれない。けれどなんの心当たりもなかったことが、さらに恐怖を増したのだ。


冬の早い夕暮れが部屋をも支配する。
窓の外に広がる鈍色の空が2人の姿を薄暗い闇に隠す。なんとなく今の状況をよく表していると思った。
「…ごめん…」
薄闇の中に浮かぶベッキョンの白目が綺麗だと思った。しかしその真ん中にある黒目は、外の空の色と同じような色をしていた。そんなベッキョンに見下され、チャニョルはこの言葉しか言えなかった。
「理由は?」
勿論ベッキョンには聞く権利がある。そしてチャニョルには答える義務がある。しかしすべてが誤解だとわかっている今、それを口にすることがチャニョルは怖かった。けれど言わない訳にはいかない。例えベッキョンと別れることになっても、きちんと話さなければいけないのだ。
「…ルハニヒョンとベッキョナ、昔なんかあったのかと…」
「え?」
しかしベッキョンからしたらまさかのことだったらしく、少し素っ頓狂な声を出し、酷く驚いたような顔をした。そしてその小さく短い驚嘆の声のあと、すっと視線を逸らした。きっとここまで来ても、ベッキョンは自分の口からミンソクの過去を話したくはないのだろう。だから視線を逸らしたのだとチャニョルは思った。
「でも違うって、なにもなかったって知ってる。さっきミンソクに聞いた。」
その言葉にベッキョンの視線が瞬時にチャニョルに戻る。やはりまた驚いた顔で。しかしチャニョルはベッキョンの顔をそれ以上は見れなかった。



~続く~


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