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愛をする人・愛をされる人=38(チャニョル×ベッキョン)

2018.10.30 09:00|愛をする人・愛をされる人

嫌われたくなかった。別れたくなかった。ただそれだけだった。
ミンソクには会える時間が減ってしまったからと言ったが、本当は余計なことを言って嫌われたくなかったのだと思う。会いたいとかわがままを言えばチャニョルを困らせるだけだと思ったし、甘えるといってもその方法がわからなかった。それらが良いか悪いは別として、今回のことではそれがすべて裏目に出てしまったのだろうと思う。そしてそれは必至だったのだ。もし今回のことがやり過ごせたとしても、また別の機会に、別の形で噴出していただろう。けれどこれまでだって特別意識してそうしていた訳ではない。無意識に近い感覚で、そうしていたのだ。
「…うん、バカだと思う…またヒョンに迷惑かけ…「もうだから違うってば!」」
ぎゅっと強く抱きしめられていた腕にさらに力が込められる。そのチャニョルの言葉と行動がベッキョンの中では整合性が付かない。だからこれ以上なにを言えばいいのかがわからず、ベッキョンは抱きしめられる腕を掴むこともチャニョルに触れることもできなかった。
「好きな人に嫌われたくないって思うのは人として当然のことでしょう?そこに同性しか好きになれないからとかは関係ないんだよ。俺だってベッキョナに嫌われたくない。ベッキョナによく見られたいって思う。さっきだって泣いてるの見られたからかっこ悪いって必死に堪えてた。それって悪いこと?」
なんだか良く分からないけれど声は出なかった。そしてチャニョルが泣いていたということに驚いた。自分とのことで泣くなんて、そんなこと信じられないと思った。これまでチャニョルが泣くところなんて見たことがなかったから。だからベッキョンは、ただ首を横に振るしかできなかった。


この2年、なんの問題もなく付き合えてきたと思っていたけれど、それは完全に誤解だった。
問題なく付き合ってきたのではなく、問題を起こさないようにというベッキョンの気遣いがあったのだ。その気遣いもきっとベッキョンのセクシャリティーによるコンプレックスから来ているものだろうと思う。そのコンプレックスは根強く、2年やそこらの付き合いでなくなるほど簡単なものではないとわかっていたはずなのに。それに気づけなかった自分がとにかく情けない。
―――だから俺の方が、もっとバカ…
ぎゅっとベッキョンを抱きしめていた腕を弱め、チャニョルはそう思いながら床に膝をついた。そしてまだ少し困ったような顔で椅子に座るベッキョンを下から覗きこみ、柔らかい髪に手を伸ばした。
―――本当に、ごめんね、ベッキョナ…
その髪を撫でながら、そう心の中で言ったが、それを声にすることも、その先を言葉にすることもできなかった。たぶん、もうこれ以上を言葉にしてもなにも変わらない。言葉で変われるくらいなら、もうとっくに変われているはず。それだけこの2年、自分の気持ちは伝えてきたつもりだったから。それでもベッキョンからは先ほどのような言葉が出てしまったのだ。だからもう言葉では駄目なのだ。いや、始めから言葉だけで変われるようなものではなかったのだ。けれど諦めない。諦めたくはない。ベッキョンは愛されて当然の人間なのだから。
それに同性同士の恋愛が簡単に進んでいくものだとは思っていない。しかしどこかで自分たちは大丈夫だと思っていたのかもしれない。いつか突然別れがやって来るかもという不安から何も言わないベッキョンに甘えて。
「今度ルハニヒョンと飲む時はベッキョナも一緒に行こう。ちゃんと恋人として紹介するから。」
それに気づいたチャニョルは少し切ない心で微笑みながら、優しくベッキョンに言った。



~続く~


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