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愛をする人・愛をされる人=39(D・O×スホ)

2018.10.31 09:00|愛をする人・愛をされる人

なぜあんなことを言ってしまったのだろう。そんなことばかりが頭の中を巡り、ギョンスは集中できないままアルバイトを終えた。
自分の気持ちを隠すことくらい、いくらでもできたはずなのに、あんな悲壮な表情のチャニョルを見たら黙っていられなかった。そのチャニョルの先に何故か泣き顔のベッキョンが見えたから。
それでもあんなこと言わなくてよかったのにと、今さらながらに後悔する。しかしもうなかったことにもできないと、ギョンスは帰り着いたアパートの部屋の前で溜息交じりに息を一度吐き出すと、その扉を開けた。
「ただいま」
小さな台所とその奥に続く一間があるだけの狭い部屋。その奥の部屋でこれまた小さな机に向かう背中。その背中に向かい声を掛けたが、それがこちらを振り向くことはなかった。
「おかえり」
それでもそんな言葉だけは返り、ギョンスはその背中に近づいた。真白な項を晒しながら、ノートになにかを懸命に書いていた。近眼のせいか、それとも癖なのか、やたらとノートに顔を近づけて書く様はいつものことだ。
「ジュンミョナ」
丸まる背中に名前を呼びながら抱きついた。なんだか無性に人肌が恋しかった。だからといってセックスがしたいのかと聞かれたらそういう訳でもなく、なんだか柄にもなく甘えたくなったのだ。
「…珍しいな、お前がこういうことするの…」
そんなギョンスに特に驚く様子も見せずジュンミョンは淡々としていた。そう言われてみて、確かにそうだと思ったら、今度は急に恥ずかしくなって、ジュンミョンの背中から飛び退くように離れた。


僅かに顔を横向け斜め後ろに立つギョンスの顔を見る。少しバツが悪そうなその顔を見て、ジュンミョンはある思いを確信した。
「ビョン・ベッキョンか?」
机の上のノートに視線を戻しながら、そう聞いた。見なくてもギョンスが驚きで目を見開いているのがわかる。ジュンミョンはそれがおかしくて、ギョンスに見えないところで口角を上げた。
あまり感情を表に出すようなことをしないギョンス。そんなギョンスの感情を良くも悪くも引き出すことができるのはベッキョンしかいないとジュンミョンは思っている。
「お前はわりと分かり易いよ。で、なにがあった?」
街はずれの古びたホテルで長年の思いを告白し体を繋げたのも、ベッキョンが切っ掛けといっても間違いではない。そしてその時から、なんとなくの流れでジュンミョンとギョンスは一緒に暮らし始めた。それまでギョンスは実家暮らしだったが、優等生のジュンミョンとルームシェアをすると言ったら、両親は一も二もなく快諾してくれ仕送りも約束してくれた。しかしジュンミョンの方は実家を追い出された身で経済的援助は望めず、そういった事情から実際はルームシェアなどというお洒落なものとは掛け離れた、1Kのボロアパートでの同棲生活だ。
「…ベッキョンの彼氏がベッキョンを探してて…」
同棲生活といっても、その言葉から連想されるような甘さはない。いちおうギョンスもジュンミョンと付き合っているという認識をしているようだが、そもそもの始まりが曖昧だったせいか、恋人というのとはちょっと違うとジュンミョンは思っている。だからといってセックスをするだけの関係というのともまた違っていて、この関係になんという言葉が当てはまるのか誰か教えてほしいとジュンミョンはずっと思っていた。



~続く~

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