こんな運命=4(D・O=ギョンス)

2017.06.04 09:00|こんな運命(ギョンス)

ふと過去へと思考が引き摺られていた。
それを現在へと引き戻したのは、ジュンミョンのかなり本気の鉄拳だった。
「いって!」
突然二の腕に振り下ろされたそれにギョンスは驚き、大きな声を上げてしまった。辺りを見れば、ベッキョンたちと別れたところからは、かなり離れたところまで歩いて来ていた。
「お前、俺に隠してることない?」
口を開かなければ可憐ささえ纏った女性そのものなのに、その声に装飾を施すことなく発された男そのものの声の言葉に、さらに驚いた。
きっとベッキョンへの気持ちをジュンミョンに隠していたことを言ってるのだろうと、すぐに分かったからだ。
しかしもう隠すことはできない、誤魔化すこともできない。その驚いているであろう自分の顔が如実に肯定を表していたのは、ギョンスにも分かりすぎるくらいだった。
「…ビョン・ベッキョンにフラれた。」
それよりも前の段階のことを言わなければ駄目だということは分かっている。ジュンミョンへ隠し続けていた自分の気持ちを言葉にしなければと。
しかし口から出た言葉はこれで、ギョンスはジュンミョンを見ることはできなかった。
「ざまーみろ!」
するとギョンスの耳に、そんな言葉が飛び込んだ。
当然、その言葉を放ったのはジュンミョンで、そのジュンミョンを見遣れば、胸の前で腕を組み、少し顎を上げ目を細め、口元を嫌味にひしゃげ、鼻で笑っていた。しかも客観的に見据えてみれば、その恰好とその声に、なんだかぎょっとするようなギャップを覚え、ギョンスは色々な意味でクリスマス近くの真冬だというのに、背中に冷たい汗が流れるような気がした。急に喉が渇いたようになり、ギョンスは一度ゴクリと喉を湿らせた。
そして目の前のジュンミョンを見つめながら、こいつは本当にキム・ジュンミョンなのか、とギョンスは思う。
「ざまーみろ」などという言葉まで放ってくるなんて、そんなジュンミョンを知らない、とも思う。
確かに中学時代の優等生然としたキム・ジュンミョンは、その女装という鎧で今は完全に隠された。いや、消滅したのではないかとさえ思う。そしてそこに現れたのは、どこかテンションも時代もずれたつまらないギャグに自分自身でウケて笑っているような、そんなちょっと残念な奴に変貌している。
しかしその本質は変わっていないと思っていたし、その本質の部分のジュンミョンは、こんな言葉を放つような人間ではなかった。
だからこそ、今までこうして友人として付き合ってこられたと言ってもいいほどに。
「っていうことで、今から飲むぞ。ギョンス」
そんなことを思いながら、あまりの驚きに口さえ開けていたであろうギョンスに向かい、ジュンミョンはその表情をくるりと変え、いつもの少し嘘くさい笑顔を浮かべると、そう言ってギョンスの腕を取った。
もうギョンスは呆気にとられるしかなく、そしてジュンミョンに従うしかなかった。




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