こんな運命=11(D・O=ギョンス)

2017.06.22 09:00|こんな運命(ギョンス)

物色した飲み物を手にしたジュンミョンが立ち上がった。その片手に持った緑色の瓶で促すようにしてギョンスをカウチへと座らせ、目の前にあるテーブルにそれを置いた。
そしてジュンミョンはギョンスが簡単にベッドメイクしたベッドへと腰を下ろし、もう一方の手に持っていたビールの缶のプルタブをプシュッと小気味いい音をさせるとギョンスに言った。
「グラスないから、そのまま飲めよ。」
そうしてジュンミョンはビールに口をつけた。ゴクリゴクリと一気に、その大半を喉に送り込んだようだった。
しかしギョンスは目の前に置かれた瓶に手を伸ばすことはできなかった。とてもじゃないが酒を飲む気分ではなかった。何かが胸に重くのしかかっているような、そんな気分だった。
部屋の中にも、それと同じような重苦しい空気が漂う。2人とも何も言葉を発しなかった。
シングル用の狭い部屋ではベッドとカウチの距離が近い。それは2人の物理的な距離も然りで、ギョンスの耳にはジュンミョンがビールを飲む、ゴクゴクという小さな音が届いた。
何かを話さなければ、何を話せばいい、とギョンスは何度も何度も心の中で繰り返した。正直ジュンミョンの前で、これほどまでに居辛さを感じたことは今まで一度たりともなかった。
そうしているうちにジュンミョンが立ち上がり、飲んでいたビールの缶をガシャという鈍い音を立て潰していた。もう1本飲み終わったようだった。
そしてそれをテーブルの下にあるコンビニ袋に投げ入れると、もう1本ビールを取り出した。
「さっきの…」
手にした缶のプシュというプルタブを開く音とともにジュンミョンが口を開いた。ギョンスは再びベッドに腰を下ろしたジュンミョンを見た。
「さっきのビョン・ベッキョンと一緒にいたの…あいつの彼氏なの?」
あの2人に偶然出くわしてから、それほど時間は経っていない。しかしもう何日も前のような気がする。
そうは思うも先ほどの2人の姿は鮮明で、やはりそれほど時間は経っていないんだと思った。
ギョンスはジュンミョンに向けていた視線を外し、自分の太ももの上に無造作に投げ出されている手の、その指の爪へ持って行った。
「…そうだよ。」
その指先を見つめながら、ギョンスは答えた。自分が発した言葉だったが、どこか2人を認めたくない、というようなニュアンスが声に乗っているような気がした。
それにジュンミョンは気づいたのだろう、小さくはっと馬鹿にしたような息を吐き出した。それに反応し、ギョンスは再びジュンミョンへと視線を向けた。ジュンミョンは僅かに口の端を上げ皮肉げな笑い顔を浮かべ、こともなげに言った。
「諦め悪い奴」
その言葉通りだと思った。だから何も言い返せなかったし、腹も立たなかった。だが、ギョンスはまた指の爪を見た。
「俺もだけど…。」
しかしすぐにそんな言葉が聞こえ、ギョンスは弾かれるようにして顔を上げた。ジュンミョンを見た。
2本目のビールを最後まで呷ったジュンミョンが、手の中にある缶をぐしゃりと握り潰した。
ゆっくりとギョンスの視線に自分のそれを合わせて来た。
今度は何も飲んでいないギョンスがごくりと喉を鳴らした。



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