こんな運命=5(D・O=ギョンス)

2017.06.07 09:30|こんな運命(ギョンス)

少し歩き大きな通りまで来るとジュンミョンはタクシーを止めた。
この頃にはギョンスも幾分自分を取り戻していた。しかしジュンミョンの言動の真意を探ることをしようとも思わなかったし思えなかった。
今ここで口を開くべきではないような気がしたからだ。
だから止められたタクシーにギョンスは大人しく先に押し込められた。あとから乗り込んできたジュンミョンは、とあるホテルの名を運転手へと告げた。
それにも少しだけ驚いたが、やはり何も言いはしなかった。
ただ、その運転手は普通の若いカップルが乗り込んできたと思ったのだろうが、行き先を告げた声が、その身なりと合っていないことにひどく驚いた顔をしたのがルームミラー越しに映り、それを見逃さなかったギョンスは少しばかり居た堪れない気持ちになった。
そしてその運転手もまた少し焦ったように、畏まりましたと早口で答えたが、その言い出しの「か」をどもらせていた。
ジュンミョンのその見た目と中身が一致していないことが運転手にばれていること、告げられた行き先が何故かホテルだったことで、ルームミラー越しに何度も好奇の目を寄越してくる運転手の視線から逃れ、自分のそれを車窓の外へと向けた。
流れる街はクリスマスの赤や緑が溢れ返っていた。その色が何か引っかかった。
そして思い出した。一月ほど前、ベッキョンと行ったファミレスでのことを。
もう既にクリスマスを意識しているメニューが並んでいた。店内もそういった装飾が施されていた。
しかしギョンスの脳裏に引っかかったクリスマスカラーはそれらではない。
ベッキョンが注文したハンバーグに添えられていたいんげんのソテーの緑と、それを口に運ぶベッキョンの唇の赤だ。
流れていく街中の色を横目に、ギョンスはどれだけ自分がベッキョンを見ていたのかと、改めて思い知った。そしてそれに愕然とするような思いだった。
しかも今の今になってみても、こうして考えているのはベッキョンンことばかりで、やはり自分は諦めの悪い人間で、もはやベッキョンに対しては執着とも言えるほどではないかとさえ思える。
いつの間にかタクシーのドアの僅かな段差に肘を乗せ、そこから伸びる腕の先の掌を顎に持っていっていたギョンスは、ジュンミョンに見えないところでその中に溜息を落とした。
そしてあの日に、もう少しだけ思いを馳せた。



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