こんな運命=17(D・O=ギョンス)

2017.06.29 09:00|こんな運命(ギョンス)

快楽や悦楽、というものからは程遠かった。
しかし苦痛しかない、という訳でもなかった。
見上げるジュンミョンの顔が必死さを物語り、自分に触れるジュンミョンの指先が愛しさを伝えていた。
これまでのセックスは自分が主導だった。それは本意ではなかったとはいえ、相手が異性であったからだ。さらにいえば、例え同性間であったとしても、自分がこんなふうに受け手に回ることはないと思っていた。
けれど今、その受け手になってみて思うことがある。
自分に触れてくる指先一本で、その気持ちが伝わってしまうことがある、ということだ。
自分はどんなふうに、どんな気持ちで、彼女に触れていただろうか、と顧みてしまう。そしてもしかしたら彼女は分かっていたかもしれない、とも思う。自分に気持ちがなかったということを。だがそれを謝る資格さえ、きっと自分にはない。
そしてそれはジュンミョンにも言えることだ。ついさっきギョンスはジュンミョンを抱いた。
その時ジュンミョンは、どんなふうに思ったのだろうか。何を感じたのだろうか。女装男とヤることしか頭になかった前の男と自分は何が違うのか。
そんなことを思いながら、ギョンスはジュンミョンの律動に呼吸を合わせた。自分に触れてくるジュンミョンの手の動くさまを、つぶさに感じ入ろうとした。
きっとジュンミョンはギョンスに「心して抱け」などという言葉を言われなくても、そうしたに違いない。ジュンミョンはそういう男であるし、そもそも好きだという感情があったのなら、そうするはずなのだ。
そう思ったら、なんだか心がぎゅっとした。泣きたくないのに涙が出そうだった。ギョンスはジュンミョンの体をぎゅっと抱きしめていた。
「…ギョン、ス?」
それに驚いたジュンミョンが名を呼んだ。またしても気づかぬうちに下していた瞼をギョンスは上げた。
「…俺さっき…お前の…」
なんと聞けばよいかが分からなかった。だからそれ以上は言葉にならず、ギョンスは一度それを飲み込んだ。
世の風潮は好かれる側が優位ということになっている。しかしそんなことはない。ベッキョンだって自分の気持ちを知ってもそうはならなかった。いや、そもそもそんなふうに変わる人間を自分は好きにはならないだろうし、ベッキョンはギョンスの気持ちを受け入れなかった。相手の気持ちを受け入れた時、もう互いに対等なのだ。
だが自分はどうだ。一瞬の躊躇いはあった。まさかジュンミョンが自分を、とも思った。しかし次の瞬間、優位に立っていた気がする。そしてジュンミョンを抱いたということは、ジュンミョンの気持ちを受け入れたということだ。もうあの時、自分たちは対等だったはず。それなのに…。そう思ったら、ギョンスは自分が恥ずかしくなった。
だが、そんな自分の本心を曝け出せすことも、またできない。けれど、せめて指先に心を込めることはできると思った。だからギョンスは言った。
「…また後で、もう1回、抱かして、ジュンミョナ…」
少しだけ驚いたジュンミョンだったが、すぐに下唇を出して澄まし顔になった。
「考えておく」
そしてそれだけ言うと、ギョンスの脚を持ち上げ、律動を再開させた。
さっきとは挿入角度が変わったから、というだけではない何かで、ギョンスは少しだけ喘ぎに似た声を漏らした。




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