わかってない=4(チャニョル)

2017.07.06 09:00|わかってない(チャニョル)

もし冬ならば、もう辺りは真っ暗だろうという時刻。しかし今は梅雨時期といっても季節は既に夏で、しかも今日はその合間の晴れ日なので、まだまだ日は燦々と照っていて暑いです。
そんな中、本当だったらタクシーを使って移動したいのですが、あまり贅沢もできない身分。やはり男としては少し情けないなと思ったりもしますが、こればかりはどうしようもないことなのでバスでの移動です。
「ヒョン、どこ行くの?」
今まで行ったことのない、しかもベッキョンにはあまり馴染のない行先のバスに乗り込み後ろの方の座席に2人並んで座ると、ベッキョンが不思議そうに小さな声で聞いてきました。
「着いてからのお楽しみ。」
でもきっと俺がこう答えることも分かっていたはずです。だからベッキョンはそれ以上は何も言わず、バスの外を流れる景色に目を向けていました。
その横顔を見て、やっぱり手を繋ぎたいな、って思います。
正直なことをいうと、今まで付き合ってきた女の子に、こんなにも触れたいと思ったことはありません。それに自分自身、少し驚いているくらいです。俺ってこんなにスキンシップ好きだったっけ?と。多分ベッキョンは、そんなことを言っても信じてはくれないと思いますが。でも本当のことです。
そしてこれもまた俺の想像ですが、ベッキョンは同性しか好きになれない自分を価値のない人間だと思っているのではないかと思います。だからあまりしつこくしたり、嫌われるんじゃないかと思うようなことをしません。付き合う前は結構ずけずけと言いにくいことも言っていた気がしますが、今ではどこか遠慮していたり気を遣っていることが凄く分かります。そんな必要はないのにって思うけれど、言葉でそう言ってもきっと変わることはないと思うので言いません。でも少しづつ、前みたいにそういうところを俺の前で出せるようになってくれたらなとも思います。
まぁ、そんなこともあり、俺も少しビビッている部分もあるのです。なんだか急にふいっとベッキョンがいなくなってしまうのではないかと。だから常に手を繋いで、どこにも行かせたくない、という思いもあるのかなと思います。
まさか自分が同性を好きになり、こんなふうに思う日が来るとは本当に想像もつかなかったことです。人間の縁って不思議です。
「…ねぇ、今日なんなの?なんでそんなに俺の顔ガン見するの?」
そんなことを思っていたら、またしてもベッキョンのことをガン見していたようです。横顔を眺めていたはずなのに、ベッキョンが怪訝な顔でこちらを向いているのも気づかないほどに!
本当は「可愛いからだよ」って言いたいけれど、それこそ嫌な顔をされるのが分かっているので、「へへへ」と愛想笑いで誤魔化しました。
「次で降りるからね。」
そしてそう言うと、他の乗客からは見えないところで、少しだけベッキョンの手を握りました。ちょっと驚いたように目を瞠ったベッキョンは、また窓の外に目を向けてしまいましたが、ちゃんとぎゅっと握り返してくれました。
やはり「へへへ」と笑いが出たところで、バスが停留所に着きました。




ランキングに参加しています。よかったらぽちっとお願いいたします。
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村




拍手、ランキングへのぽち、いつもありがとうございます。
関連記事

Comment

非公開コメント

| 2017.11 |
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

みむ子

Author:みむ子
K-POPグループEXOのBL妄想小説置いてます。

最新記事

最新コメント

カテゴリ

デフォルトカウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

ページトップへ