そつたくどうじ=2(チャニョル×ベッキョン)


もう既に今日は最後まで、ということは決定事項であった。他ならぬ恋人ビョン・ベッキョンの要求であったから。
それがとても嬉しいというのは、ただ単にセックスができるからという、思春期の高校生レベルのものでは勿論ない。
これまではベッキョンの様子を見ながら、どちらかといえばベッキョンのペースに合わせ、ことを進めていた。そしてその経過具合で最後まで、ということも何度かあったが、それはきっとベッキョンの中で、今日くらいは最後までしておかないとチャニョルに愛想を尽かされるのではないか、というご機嫌伺いのような側面を持っていたように思う。
そこにそういった側面と、それでも自分は男なのだという、女のように媚びたり感じたりしないぞというような、悲壮感のようなものまでも入り込んでいるのだから、チャニョルが切なくなったのも、また事実だろう。
ただただ快楽に身を委ねればいいのにと、何度思ったことだろう。それこそ初めの時に、あのようなことを口にしてしまったことを後悔した。まるで退化していくように積極的な振る舞いはなくなり、頑なになってしまった部分もあった。
けれどその退化ともとれた態度が恥じらいというものへと変化していることに気づいた時、チャニョルはこれは退化ではなく進化の一過程なのだと考えを改めた。それでもチャニョルはベッキョンのペースを守った。いつか2人の気持ちがおいつくだろうと、そしてそれはそう遠くない時にやって来るだろうと思えたからだ。
そして今、これまでそうやって守って来たベッキョンのペースを、チャニョルはわざと乱した。いつもなら先にベッキョンの手を誘い込み、自分の服を脱がさせた。しかし今日はそうさせる前に、ベッキョンの服を全て取り去った。
その時のベッキョンが目元にきゅっと力を入れたのが、恥ずかしさからくるものだということはわかっている。そんなチャニョルは眼下で睫毛を揺らし瞼を閉じるベッキョンの名を呼んだ。
「…ベッキョナ…」
自分の腰辺りでふよふよと彷徨うベッキョンの手を取り、その綺麗な指先に唇を寄せた。チャニョルはこのベッキョンの細く長いしなやかな指が、とても好きだった。この指にだったら、何をされてもいいと思う。とはいっても、できれば負の感情は込めてほしくないとは思う。この綺麗な指先に。
唇を離し、ベッキョンの左手の親指の爪と皮膚の境目にあるほくろを、チャニョルは見た。その小さな黒い点さえも、愛しいなと思う。
そしてその小さな黒からまた目を離し、そのもう少し先に現れた二つのビー玉ほどの黒に、視線を落とした。
「…ベッキョナ脱がして…」
そう言いながらもベッキョンの腿に、自分の下半身を擦りつける。まるで甘える子供が親の脚に縋りつくように。それにさえベッキョンは僅かに恥ずかしさを滲ませていた。そんなふうになっているとは、本人は気づいていないのだろうが。
「…ヒョン…これじゃ脱がせらんないよ…」
やはりその声にも恥ずかしさを滲ませていた。それにあの指が自分から服を取り去ろうと四苦八苦しているのだと思うと、本当に堪らないと思う。けれどチャニョルは自分のデニムに手をかけるベッキョンの手を、指先を、もう一度浚いにいき、そのままベッキョンの唇もそうしにいった。
「…ベッキョナ…触って…」
ベッキョンの下唇を吸い、ベッキョンの指先を解放し、チャニョルはそう言った。その声がやけに湿った声で部屋に響いた気がした。そしてその次の瞬間、ベッキョンの手が、あの手が、チャニョルのパンツの中に入ってきた。
今度はチャニョルが、その目元にきゅっと力を入れる番だった。




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Comment

美しい愛

と言っていいのかな。

ベッキョナの恋愛、幼かったものが大人の恋愛になった瞬間だと
思いました。

言葉で考えてもわからない本当の恋。

ベッキョナにとってはこれが本当の初めての愛であるような気がしました。

愛することと愛されることその微妙なバランスが合わさった瞬間だとも思いました。

2人の肌の触れ合いが息遣いすら生々しく感じられる文体で朝からドキドキしてしまいました。

Re: 美しい愛

roiniy様、こんばんは~♪

コメントありがとうございます!
なんだかとってもくすぐったいコメントですが嬉しいです(〃▽〃)ポッ

このお話の(私の中で決めている)テーマがまさに成長なので、そう言ったことからもroiniy様のお言葉、とても嬉しいです。
それが伝わっているんだなと思えて^m^
そして本当にその瞬間だったのだと思います。(このお話のタイトルも、まさにそうなのです!)

そうそう朝からこんなお話でいいのか?と4話目になって思いました←遅っ!
でもドキドキしてくださってありがとうございます♪

またよろしくお願いします。
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