【2017a-nation記念短編】Don't go(ベッキョン×スホ)


体には自信があった。
魅せる的なものではなく、体力的や強靭的なという意味で。
これまで特に大きな怪我をしたことはないし、活動休止とまではいかなくてもファンの子達が気づくような小さな怪我も、していないということが自慢だった。

しかし今回のカムバで張り切り過ぎたのか、腰と足を痛めた。
我慢すれば踊れなくはないのだけれど、数か月後に始まる新たなライブツアーのことを考えると今は無理もできない。
それには勿論メンバーも皆口を揃えて同意する。
とはいえ、あまりにも踊れない姿をファンにもメンバーにも見せるのは、自分としては嫌だった。
だから場所や状況を考えて、踊ったり椅子に座ったりしていた。

けれど一人椅子に座り、踊るメンバーを横目に見ていたりすると、だんだん自分が情けなくなってくる。
踊れない自分に自分自身嫌になるし、やはりファンやメンバーに申し訳ないという気持ちも強くなる。
そしてそれが高じてくると、今度はメンバーと距離を取るようになる。
これはもう被害妄想のようなものだ。正直メンバーもあまり俺に構って来なくなる。

そんな時、カムバ活動期ではあるが、ふいに半日のオフが告げられた。
早朝の録画が終わったら夜までは自由にしていていいということだった。
ただマネージャーヒョンから「ベッキョナは自宅療養」というお達しが出て、俺は否応なしにお留守番となった。

元々映画の撮影が入っていたギョンスは現場へ。
ダンス馬鹿のジョンインはセフンを誘い練習へ。
オフでも家に引きこもりのミンソギヒョンはジョンデに無理やり引っ張られてショッピングへ。
チャニョルは案の定いつものように作業室へ。

そうしてメンバーが次々に宿舎を出て行くと、それを見届けていたジュンミョニヒョンも何やら出かけるようだった。
きっと何気に交友関係が広いジュンミョニヒョンは、友人か誰かを捕まえたのだろう。

「…ベッキョナ、一人で平気か?」

キャップを被り出かける準備万端のジュンミョニヒョンが、リビングのソファーでクッションを腕に抱えぼーっと座る俺に聞く。
誰も俺のことなど気にせず出掛けて行ってしまった。きっとそれが自分でも思った以上に堪えていたんだと思う。
だからジュンミョニヒョンのなんてことないその一言に、喉の奥がひりつき目の奥がギュッとする。
口を開いたら、言葉と一緒に色々なものが出て来てしまいそうで、俺は口元をきゅっと強く結ぶと鼻からゆっくり息を出した。
それでも「大丈夫だよ」という一言が出てこなかった。

「…?どうした?ベッキョナ?」

何も答えない俺が不思議だったのか、近眼のジュンミョニヒョンは俺の顔を覗き込む為に目の前に来た。
そんなジュンミョニヒョンを見上げると、俺は自然と口が開いた。

「…行かないで…」

自分の耳に届く声が、やけに甘ったれている。そう思うと同時に「ヤバい」と思った。そして驚いたように目を見開いたジュンミョニヒョンの顔が目に映り、これ以上見れないとも思った。咄嗟に自分の顔をクッションに俯けた。

「うそうそ!ごめん!ヒョン約束してるんだろ!早く行きなよ!」

ソファーに小さくなって沈めていた体に力を入れて背筋をぴんと伸ばす。
俺は大丈夫だからと態度で示すように。しかしジュンミョニヒョンの顔は見れなかった。

「友だちはいつでも会えるけど、こんなに弱ったベッキョナは今しか見れないよな。メッチャ貴重だから、俺が何でも世話してやる。ほらヒョンに甘えていいぞ。何でもしてやるぞ。」

これがきっかけとなりこの後、俺たちが恋人同士になるなど誰が想像できるというだろうか。
本当に人の縁とはわからないものだと、俺は後々つくづく思うことになる。



~終わり~




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Comment

こんばんは!

こんばんはみむ子様^^
コメント下さりありがとうございました。確認してすぐ参りました(笑)
そうしたら、みむ子様。スホ氏ではないですか。そして、ベッキョン氏ですか!
実は自分はこのお二人のお話も読んだことがなく、それで今回の企画で書き手様にお願いしたのもあり、そちらも今すごく楽しみにしているのですが^^
しかし、一足先にみむ子さまバージョンで読むことが出来たの嬉しいですね!
そして、今回は前回のレイ氏とのお話とはやはり違うスホ氏で良いですね!どちらも自分は好きなのですが。このお話のベッキョン氏は可愛らしく、お話自体も可愛らしくて、このお二人の何かを読みたくなってしまいますが、うまくそういうのが書かれていない……(笑)
しかし、本当にこういう場面がありそうなワンシーンですね。以前から思っておりましたが、みむ子様は日常のワンシーンをドラマチックに描かれますよね!そして、甘えるベッキョン氏というのをはじめて自分は読んだ気がして新鮮でした。見たことのないものを読むことが出来るのは有り難いものですね!
コメントに企画告知の記事について書いて下さいましたが、みむ子様の書かれたい記事を優先で、あまりお気になさらないでくださいね。いえ、書いて下さいましたらそれはとても嬉しいですが(笑)短編なども……嬉しいですが(笑)
では、長々とすいませんでした。また何か気になることなどあればいつでも仰って下さいませ。
それでは、おやすみなさい^^

Don't go

題名、ちょっと深読みしてしまいました。

お久しぶりです。

ベッキョンリアル腰を痛めているみたいですね。
リアルなお話で…甘えるベッキョンありそうなお話です。

ベッキョンに甘えられたら何でも許してしまいそう…
あ、ジュンミョン氏もでしたか…みたいな。

ベッキョン×スホ…ってことは…ぁぁ…←違ってたらごめんなさい。

甘えながらガンガンいっちゃうベッキョン…萌える。^^

Re: こんばんは!

睡魔夢子様、こんばんは~♪

コメントありがとうございます!
お返事遅くなりました<m(__)m>

昨日あげました【あとがき】で記しましたが、今回のカップリングが企画の方と丸被りしていて、大丈夫かな?と少し心配しておりました。
しかし夢子様に喜んでいただけたようなので良かったです(笑)
私もベク×スホ(右左はどちらでもいいのですが^m^)はあまり読んだことがなく、需要はあまりないだろうなと思いながらも、妄想はすんなりできて、文字にもするのもすらすらでした。
そもそもベク×スホというカップリングありきで始まり、スホに甘えるベッキョンという構図がすぐに浮かびました。
なんとなくベッキョンは同じ年のチャニョルやジョンデには、あまり弱い姿を見せないだろうな、甘えたりもしないだろうなと思いまして、リーダーであり年上のスホにはもしかして?と思ったのです。
そして意外と恋に落ちるのって、本当になんてことない日常のワンシーンにあったりするかなとも思いまして。
きっとこの2人は、これからですので(笑)
何かネタに困った時はこの続きでも書いてみようかな^m^

何度も繰り返しになってしまいますが、今回書こうと思った短編のカップリングが企画とまる被りだったので、シリーズ途中で告知記事を出すと誤解を生んでしまうかなと思い、漸く昨日その説明とともに出せた次第です。
企画の方のお話も、半分くらいは書けたかなという感じですので、もし早く書きあがったら、また企画誘導目的で短編など書けたらと思っております。

残り1週間を切りましたね!
元々夏が好きなので、まだまだ終わらない夏に喜んでおります♪
最後まで盛り上げていきましょうね(^o^)丿

では、私もまた伺います!
ありがとうございました!

Re: Don't go

roiniy(ooba)様、こんばんは~♪

コメントありがとうございます!
お返事が遅くなりました<m(__)m>

お久しぶりですね~といっても、私、毎日伺っております(笑)
拍手とランキングのぽちだけしてコメントせず申し訳ない><

題名深読み?どのように?^m^
ちょっと知りたいと思っちゃいました(笑)

ベッキョンはあまり素ではメンバーには甘えたりしなさそうな感じですが(メンバー以外の年上には←ヒチョルとかには甘えそうですが)、きっと甘えられた人は何でも許してしまうでしょうね。スホも例外なくね^m^
私ももれなく何でも許します(笑)

まぁ、右左はどちらでもいいんですが(笑)、やはりスホは受けの方が萌えるかなと。
甘えながらガンガン…、それこそベッキョンの本領発揮かもしれませんね(笑)

コメントありがとうございました!
また伺いますね~♪
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